スタッフブログ

Staff blogスタッフブログ

工場の虫対策における現状の課題と、
設備環境からアプローチする抜本的改善

こんにちは!adore株式会社 広報部です。

第4回目となる今回のブログでは、「捕虫器を増やしたのに、なぜか減らない…」
「薬剤を使うにも限界がある…」そんな“現場あるある”に、
今回は設備・環境・運用の3つの視点から向き合っていきます。

実は、虫対策って“捕まえる”だけだと、原因が残ってまた戻ってきがちなんです。

そこで本記事では、

  • • どこから入ってきてる?(侵入経路)
  • • どこで増えてる?(発生源)
  • • 捕虫器って、何のために使うのが正解?(役割と限界)

をいっしょに整理しながら、「入れない・増やさない」環境づくりの考え方をわかりやすくまとめました。
「やってるのに減らない…」を抜け出したい方、ぜひご一読ください!

工場の虫対策は「捕虫器を増やす」「薬剤を散布する」といった対症療法に偏ると、根本原因が残り続けて再発します。

特に食品・医薬品の現場では、異物混入リスクが品質事故や回収に直結し、監査でも防虫管理の妥当性が問われます。

抜本的に改善するには、設備(建屋・動線・気流)と環境(温湿度・照明)と運用(清掃・点検)をセットで見直し、捕虫器は「監視と低減の道具」として位置づけることが重要です。

現場が抱える異物混入リスクの深刻化と防虫対策の限界(食品工場・医薬品工場)

食品工場・医薬品工場では、虫の混入はクレームだけでなく、製品廃棄・ライン停止・監査指摘・ブランド毀損へ連鎖します。
一方で、薬剤に頼る対策は「製品への影響」「作業者安全」「残留や臭気」「耐性化」などの制約が大きく、使える手段が限られます。

その結果、捕虫器や清掃に依存しがちですが、侵入・発生の条件が残っていれば捕獲数は下がりません。
リスクを下げるには、虫が“入れない・増えない”設備環境を作り、捕虫器で“増加兆候を早期に見つける”体制へ移行する必要があります。

捕虫器が果たす役割と単体使用の限界:防虫対策における期待値とリスク評価


捕虫器は、飛翔性害虫を誘引して捕獲し、工場内の虫密度を下げると同時に、発生・侵入の兆候を可視化する“モニタリング機器”として有効です。
ただし捕虫器は、侵入を物理的に止める装置ではなく、発生源を除去する装置でもありません。
設置場所が悪いと、外から虫を呼び込む、製造ライン近くで捕獲物が汚染源になる、交換不足で捕虫紙が飽和して効果が落ちる、といった逆効果も起こります。
よって「捕虫器=万能」ではなく、リスク評価(どの虫を、どの区画で、どの程度許容しないか)に沿って使うことが前提です。

現場で虫が減らない原因分析:設備・環境・運用の3視点から課題を抽出

虫対策の失敗は、設備・環境・運用のどれか一つが欠けても起こります。
例えば、設備が良くても運用が崩れればドア開放で侵入します。
運用が良くても環境(照明や結露)が誘引・繁殖条件を作れば増えます。
この章では、現場で頻出する“減らない理由”を3視点で分解し、点検の当たりを付けられるようにします。



外部からの侵入経路の把握:シャッター、ドックシェルター、搬入動線の構造的課題


侵入経路の主役は、出入口と搬入動線です。
シャッターは開放時間が長いほど侵入リスクが上がり、夜間照明が外に漏れると誘虫が加速します。
ドックシェルターがあっても、車両サイズ差で隙間が出る、床面の段差で密閉できない、シール材が劣化している、といった構造的な穴が残りがちです。
また、搬入待機中の扉開放、台車の出入りでの“すり抜け”、人の通用口の開けっぱなしも頻出です。
侵入対策は「隙間をなくす」「開放時間を短くする」「光を漏らさない」「気流で押し返す」をセットで設計します。



施設内部での発生要因:原材料保管エリア、排水溝、結露による繁殖条件の形成


内部発生は、原材料・包材・廃棄物・水分の管理が鍵です。
原材料保管でのこぼれ、段ボールの持ち込み、先入先出の乱れは、貯穀害虫や小型昆虫の温床になります。
排水溝やトラップは有機物が溜まりやすく、チョウバエ等の発生源になりやすい代表例です。
さらに結露は、微生物汚れと水分を同時に作り、虫が好む環境を“見えない場所”に形成します。
内部発生を疑う場合は、捕虫器の捕獲位置が出入口から離れている、特定エリアで偏る、清掃直後に一時的に減るが戻る、といったパターンがヒントになります。



環境条件が与える影響:工場内の温湿度管理と照明設備(波長)による誘引リスク


虫は温度・湿度・光に強く影響されます。
温湿度が高いと繁殖サイクルが短くなり、結露やカビ汚れも増えて餌場が増加します。
また照明は、波長によって誘引性が変わり、出入口付近の明るい照明や外光の漏れは、夜間に虫を集める要因になります。
捕虫器のUVランプも同様で、設置場所を誤ると「外から見える誘虫灯」になりかねません。
温湿度は空調能力だけでなく、扉開閉頻度、陽圧・陰圧、局所排気のバランスで崩れます。
環境条件は“設備と運用の結果”として現れるため、数値(温湿度ログ、差圧)で管理するのが有効です。



建屋・設計上の課題:製造ラインの清掃性欠如とデッドスペースの存在


建屋やライン設計に清掃性の弱点があると、どれだけ清掃しても汚れが残り、虫の餌場・隠れ家になります。
代表例は、機械下の隙間が狭く清掃具が入らない、配管・ケーブルラックが複雑で粉塵が溜まる、壁際に物が密着して点検できない、天井裏やピットが放置される、といったデッドスペースです。
また、床のクラックや巾木の隙間は、歩行性害虫の潜伏場所になります。
設計課題は短期で直せないことも多いですが、まずは「清掃できない場所を見える化」し、点検口追加、機器の嵩上げ、配線整理、シール施工など、段階的に潰すのが現実的です。

防虫機器(捕虫器)の選定基準:工場環境に適した仕様と安全性の確保

捕虫器は“何でも同じ”ではなく、方式・安全性・設置設計・メンテ性で効果とリスクが大きく変わります。
工場では、捕獲性能だけでなく、異物化(破片・死骸飛散)を起こさないこと、監査で説明できること、保守が回ることが重要です。
ここでは方式別の違いと、食品・医薬品での選定ポイント、設置レイアウトの考え方を整理します。



方式別の特徴と使い分け:粘着式・吸引式・電撃式のメリットと適用環境


工場で主流なのは粘着式で、次いで吸引式、電撃式は用途を選びます。
電撃式は捕殺力が高い一方、破片飛散リスクがあり、製造エリアでは不適となるケースが多いです。
吸引式は捕獲物が内部に溜まりやすく、清掃性・フィルタ管理が鍵になります。
粘着式は捕獲物が飛散しにくく、捕獲数のカウントもしやすいため、監視用途にも向きます。



方式

メリット

注意点

向く場所

粘着式

飛散しにくい。
捕獲数を記録しやすい。
食品・医薬品で採用しやすい。

捕虫紙の飽和で効果低下。
交換・廃棄の運用が必須。

製造室、包装室、保管庫、前室。

吸引式

小型昆虫にも対応しやすい。
誘引光が外に漏れにくい設計もある。

フィルタ・ダスト部の清掃が必要。
機種により騒音・風量の影響。

クリーン度を重視する区画、静電気や粉塵が気になる場所。

電撃式

捕殺力が高い。
屋外・半屋外で使いやすい。

死骸・破片の飛散リスク。
監査で不利になりやすい。

屋外、ゴミ置場、工場外周、製造区画外の防虫帯。



食品・医薬品工場に求められる安全性:薬剤非使用(ケミカルフリー)と飛散防止対策


食品・医薬品では、薬剤非使用(ケミカルフリー)であることに加え、捕獲物が異物にならない設計が重要です。
そのため、製造・包装エリアでは粘着式が選ばれやすく、電撃式は原則避ける運用が一般的です。
また、器具の破損で部品が落下しない構造、ランプ破損時の飛散対策、清掃時に粉が舞いにくい形状なども評価対象になります。
監査では「なぜこの方式か」「どの区画に置くか」「交換頻度は妥当か」を説明できることが求められるため、仕様書・配置図・点検記録をセットで整備します。



効果を最大化する設置レイアウト:製造ライン・保管庫・出入口における高さと台数設計




捕虫器は“置けば効く”ではなく、レイアウトで効果が決まります。
基本は、虫を製造ラインへ近づけないために「侵入しやすい境界(出入口・前室・ドック周り)で捕まえる」考え方です。
一方で、出入口の真正面に置くと外から誘引してしまう場合があるため、外光が見えない位置、動線の脇、風の影響を受けにくい場所に設置します。
高さは対象昆虫の飛行高度や作業動線を踏まえ、壁付け・天吊り・据置を使い分けます。
台数設計は、面積だけでなく、区画の分断、扉の数、侵入リスクの高い点の数で決め、捕獲データで増減を調整します。


  • ● 出入口付近:外から見えない位置に“受け”として配置し、製造室側へ誘導しない。
  • ● 製造ライン周辺:製品直上や開放製品の近傍は避け、監視目的の最小限配置にする。
  • ● 保管庫:段ボール・原料由来の虫を想定し、入庫口と棚周りの監視点を作る。
  • ● 前室・更衣室:人の出入りで侵入する虫の監視点として有効。


誘引ランプの特性と工場内照明の関係:LED捕虫器の有効性と外光の影響排除


捕虫器の誘引は光(波長)に依存するため、工場内照明や外光の影響を強く受けます。
周囲が明るすぎる、外光が差し込む、出入口から捕虫器の光が見える、といった条件では誘引効率が落ちたり、逆に外部から虫を呼び込んだりします。
近年はLED捕虫器(特定波長のLED)も選択肢になり、消費電力やランプ寿命、光の制御性でメリットがあります。
ただし“LEDなら必ず捕れる”ではなく、対象昆虫・設置環境・周辺照度との相性が重要です。
外光対策としては、遮光(のれん・カーテン)、照明の配置変更、夜間の外周照明の見直しを組み合わせ、捕虫器が最も目立つ光源にならないよう設計します。

設備環境の改善による総合防除(IPM)の実践と管理システムの構築

IPM(総合防除)は、薬剤だけに頼らず、発生源除去・侵入防止・監視を組み合わせて、虫のリスクを継続的に下げる考え方です。
工場では「設備改善+捕虫器モニタリング+衛生管理」を一つの管理システムとして回すことで、担当者が変わっても効果が落ちにくくなります。
ここでは、現場に落とし込む手順と、設備面の代表的な打ち手を紹介します。



防虫管理の3原則「発生源除去・侵入防止・監視」を現場に実装する手順


3原則は理解していても、現場実装で止まりがちです。
実装のコツは、区画ごとに「何を守るか(重要管理点)」「どの虫が問題か」「どこで測るか」を決め、責任と頻度を割り当てることです。
発生源除去は清掃・廃棄物・水分管理の標準化、侵入防止は開口部と気流の制御、監視は捕虫器と目視点検の定点化で進めます。
最初から完璧を狙わず、捕獲データで“効いた/効かない”を判断し、対策を更新する運用にすると定着します。


  • ● ステップ1:区画図に出入口・排水・原料動線・廃棄物動線を落とし、リスク点をマーキングする。
  • ● ステップ2:捕虫器・トラップの設置点を定点化し、番号管理して記録可能にする。
  • ● ステップ3:清掃・点検・補修の担当と頻度を決め、チェックリスト化する。
  • ● ステップ4:月次で捕獲数と是正処置をレビューし、配置・設備・運用を更新する。


物理的防除の実践:エアカーテン、シートシャッター、陽圧化による気流制御


侵入防止で効果が出やすいのが物理的防除です。
エアカーテンは出入口の虫の侵入を抑える一方、風量不足や設置高さ不適合だと効果が出ません。
シートシャッター(高速シート)は開放時間を短縮でき、搬入頻度が高い工場ほど投資効果が出やすい設備です。
さらに、清浄区画を陽圧化し、外部から空気が流入しにくい差圧設計にすると、虫だけでなく粉塵の侵入も抑えられます。
重要なのは、単体導入ではなく、動線・扉運用・空調バランスとセットで“気流の設計図”を作ることです。



サニテーション(衛生管理)の徹底:排水溝の構造改善と清掃プログラムの標準化


サニテーションは発生源除去の中核で、特に排水系は最優先です。
排水溝は「清掃しやすい構造」になっていないと、担当者の努力だけでは限界があります。
例えば、勾配不良で水が溜まる、トラップが分解できない、蓋が重く開けられない、ブラシが届かない、といった構造は改善対象です。
清掃プログラムは、頻度・手順・使用器具・確認方法(目視基準)を標準化し、属人化を防ぎます。
“汚れが残る場所”を前提に、点検口追加や部材交換などの小改修を積み上げると、捕虫器の捕獲数も連動して下がりやすくなります。



防虫モニタリングとデータ活用:捕獲状況の記録・分析による異常の早期検知


捕虫器は「捕る」だけでなく「気づく」ために使うと価値が最大化します。
捕虫紙の交換時に、捕獲数・虫種(大まかで可)・設置点・日付を記録し、増加傾向を見ます。
例えば、特定の出入口だけ急増したなら侵入、排水周りで増えたなら内部発生、季節で増えるなら外周環境や照明の影響、といった仮説が立ちます。
データは難しく作り込むより 、継続できる粒度が重要です。
月次レビューで「上位3地点」「前年差」「対策後の変化」を見るだけでも、異常の早期検知と監査説明に役立ちます。

運用・管理体制の強化:ルールの形骸化を防ぎ、再発を防止する現場づくり

設備を入れても、運用が回らなければ虫は戻ります。
特に捕虫器は、交換・清掃・記録が止まると効果が落ち、むしろ汚染源になり得ます。
再発を防ぐには、点検保守のルール化、教育、外部専門家の活用、監査に耐える文書化をセットで整備します。
ここでは“形骸化しない仕組み”に焦点を当てます。



点検・保守業務のルール化:捕虫紙交換・ランプ更新の頻度設定とチェックリスト運用


捕虫器の保守は、頻度が曖昧だと必ず抜けます。
捕虫紙は飽和すると捕獲できず、虫が剥がれて二次汚染になることもあります。
ランプ(UV/LED)は点灯していても誘引性能が落ちる場合があるため、メーカー推奨や使用時間に基づく更新基準が必要です。
チェックリストは「設置点番号」「交換日」「捕獲数」「異常(破損・汚れ・点灯不良)」を最低限にし、現場が回せる形にします。
さらに、交換部材の在庫切れが起きないよう、消耗品の定数管理まで含めると運用が安定します。


  • ● 捕虫紙:定期交換+捕獲量が多い時の臨時交換ルールを併用する。
  • ● ランプ:使用時間・期間で更新基準を決め、点灯確認だけで終わらせない。
  • ● 本体清掃:粉塵・油分が付く環境では、外装清掃も点検項目に入れる。
  • ● 記録:紙でもデジタルでもよいが、監査で追える形で保管する。




現場従業員への教育と啓発:ドア開放厳禁や原材料取り扱いルールの徹底


虫対策は一部担当者だけでは成立せず、現場全員の行動が結果を左右します。
特に「ドアを開けっぱなしにしない」「搬入時の開放時間を短くする」「段ボールを製造区画に持ち込まない」「こぼれを放置しない」といった基本動作が、侵入と発生を大きく変えます。
教育は座学だけでなく、現場の“なぜ”を共有するのが効果的です。
例えば、出入口の捕獲数が増えた週の写真やグラフを掲示し、行動と結果を結びつけると定着します。
ルール違反を個人責任にせず、動線や設備が守りやすい形になっているかも同時に見直します。



専門業者(ペストコントロール)との連携:データに基づく効果測定と監査対応


ペストコントロール業者は、駆除だけでなく、原因分析・改善提案・監査資料の整備で力を発揮します。
重要なのは、作業報告を“実施記録”で終わらせず、捕獲データや現場観察に基づく効果測定(どこが改善し、どこが未改善か)まで踏み込むことです。
工場側は、区画図、設備変更履歴、クレーム情報、清掃計画などを共有し、業者任せにしない体制を作ると精度が上がります。
監査対応では、配置図、点検記録、是正処置の履歴が揃っていると説明が通りやすくなります。



HACCPおよび各種品質管理基準への適合:監査に耐えうる防虫管理体制の構築


HACCPや各種品質規格では、防虫管理が前提条件プログラムとして評価され、記録と是正が求められます。
監査で見られるのは「リスクに見合う管理になっているか」「逸脱時に是正できるか」「継続的に改善しているか」です。
そのため、捕虫器の台数や機種の説明だけでなく、設置根拠(侵入点・重要区画)、点検頻度、捕獲増加時の対応フロー(原因調査→是正→効果確認)を文書化します。
また、製造区画で電撃式を使わない、捕虫器を製品直上に置かないなど、異物混入リスクを下げる設計思想を示せると強いです。
“やっている”ではなく“管理できている”状態を作ることが適合の近道です。

【事例検証】設備改善と機器導入による防虫効果の実証と失敗の教訓

防虫は、単発の機器導入よりも、設備・運用・監視を組み合わせた時に成果が出ます。
ここでは典型的な成功パターンと、よくある失敗パターンを“考え方”として整理します。
自社の状況に当てはめ、どこがボトルネックかを見つける材料にしてください。



内部発生害虫の減少事例:環境改善とモニタリングの相乗効果


原材料保管エリアで小型昆虫の捕獲が継続し、捕虫器を増設しても減らないケースでは、内部発生を疑うのが定石です。 この場合、保管棚下の清掃性改善(嵩上げ・通路幅確保)、こぼれ対策(受け皿・清掃頻度増)、段ボールの区画分離、排水周りの洗浄手順標準化を実施します。 同時に、捕虫器を“監視点”として配置し、対策前後で捕獲数の推移を比較します。 結果として、発生源が減ると捕獲数が段階的に下がり、異常が出た時も「どの運用が崩れたか」をデータで追えるようになります。 ポイントは、捕虫器を増やす前に“餌と水と隠れ家”を減らすことです。



飛翔性害虫の侵入阻止事例:照明の波長変更と動線見直しによる誘引リスク低減


夜間に出入口周りで捕獲が急増する場合、外周照明や室内照明の漏れが誘虫していることがあります。
このケースでは、出入口から外に光が漏れないよう遮光カーテンやのれんを追加し、外周照明の配置・点灯時間を見直します。
さらに、搬入動線を整理してシャッター開放時間を短縮し、必要に応じてシートシャッターを導入します。
捕虫器は出入口の真正面を避け、侵入後に製造区画へ進む前に捕まえる位置へ移設します。
照明(波長)と動線(開放時間)を同時に変えると、侵入数そのものが減り、捕獲数も安定して下がりやすくなります。



高衛生環境での導入実例:薬剤に頼らないクリーンな防除体制の確立


薬剤使用を最小化したい高衛生環境では、粘着式捕虫器を中心に、侵入防止(陽圧・前室・エアカーテン)とサニテーションを強化する構成が現実的です。
捕虫器は製造室内に過剰設置せず、前室・廊下・出入口側に監視点を作り、製造室は“守る区画”として虫密度を上げない設計にします。
捕獲データは月次でレビューし、増加時は「扉運用」「差圧」「結露」「排水清掃」の順に原因を潰します。
この体制は、監査で説明しやすく、作業者の安全面でもメリットがあります。
重要なのは、捕虫器を“駆除装置”ではなく“管理装置”として運用することです。



失敗事例に学ぶ注意点:不適切な機器配置とメンテナンス不足が招く汚染拡大リスク



外部委託は有効ですが、丸投げだと現場の運用が変わらず、虫が減らない状態が続くことがあります。
まず自社で優先すべきは、①発生源の特定と除去(排水・残渣・廃棄)②開口部の運用是正(開放時間・前室・エアカーテン)③捕獲と記録の仕組み化、の順です。
この3つが回ると、委託先に依頼する内容も「調査して」から「この仮説を検証して」「このゾーンの改善案を出して」に変わり、費用対効果が上がります。
逆に、データがないまま委託すると、薬剤処理中心の提案になりやすく、薬剤レスの目的とズレることがあります。
自社で回せる土台を作ってから外部の専門性を足すのが、最短で安定します。

導入に向けた実務ガイド:コスト評価・ロードマップ・現場用チェックリスト

防虫対策は、費用をかければ良いのではなく、リスク低減に対して妥当な投資になっているかが重要です。
捕虫器の購入費だけでなく、消耗品、保守工数、設備改善費、監査対応工数まで含めて計画すると、途中で頓挫しにくくなります。
この章では、ROI/TCOの考え方、導入ステップ、PDCAの回し方、導入前に現場で確認すべき項目をまとめます。



費用対効果(ROI)の評価手法:初期投資、消耗品費、保守工数を含めたTCOの算出

捕虫器導入の評価は、機器価格だけで判断すると失敗します。 粘着紙やランプの消耗品費、交換・記録の作業時間、清掃工数、故障対応、廃棄コストまで含めたTCO(総保有コスト)で比較します。 ROIは、品質事故の回避額を厳密に出しにくい一方、クレーム件数、捕獲数の減少、監査指摘の減少、ライン停止リスクの低下など、代替指標で評価できます。 設備改善(シートシャッター等)は初期費が大きいですが、開放時間短縮による侵入低減と、空調負荷低減(省エネ)まで含めると投資回収が見えることがあります。 “機器の安さ”ではなく“管理コストとリスク低減”で意思決定するのが実務的です。


コスト項目

主な内訳

見落としやすい点

初期投資

捕虫器本体。
設置工事(壁付け・電源)。

設置位置変更の追加工事。

消耗品費

捕虫紙。
ランプ/LEDユニット。

捕獲多発地点の交換回数増。

保守工数

交換作業。
清掃。
記録・集計。

記録が続かず監査で弱くなる。

改善投資

シートシャッター。
エアカーテン。
シール施工。

空調負荷・差圧への影響評価が必要。


導入プロセスとロードマップ:現場診断から機器設置、効果検証までのステップ


導入は、いきなり機器選定に入るより、現場診断→仮説→配置→検証の順が成功しやすいです。
まず区画図と動線を整理し、侵入点・発生源候補・重要管理点を洗い出します。
次に、捕虫器を監視点として配置し、一定期間データを取り、増加地点から優先順位を決めます。
その上で、設備改善(隙間・遮光・気流)と運用改善(清掃・扉ルール)を実施し、捕獲数の変化で効果検証します。
ロードマップ化すると、設備投資の稟議も通しやすく、現場の納得感も上がります。


  • ● 1〜2週:現場診断(侵入点・発生源・照明・差圧・結露の確認)。
  • ● 1〜2か月:捕虫器の定点モニタリングで現状把握(捕獲数・虫種・偏り)。
  • ● 2〜3か月:優先度の高い設備・運用の是正(出入口、排水、保管)。
  • ● 3か月以降:配置最適化と標準化(点検頻度、教育、監査資料整備)。


防虫管理のPDCAサイクル:モニタリングデータに基づく継続的な環境改善の仕組み


防虫は季節変動や操業条件で状況が変わるため、PDCAで回す前提が必要です。
Planでは、区画ごとの目標(例:製造室は捕獲ゼロに近づける、前室で捕獲して止める)と、点検頻度・是正基準を決めます。
Doで設備・運用を実施し、Checkで捕獲数の推移、増加地点、是正後の変化を確認します。
Actでは、配置変更、清掃手順の改訂、設備補修の追加など、次の打ち手に反映します。
このサイクルが回ると、担当者が変わっても“データで管理する文化”が残り、形骸化しにくくなります。



意思決定者のための導入前チェック項目:現場ですぐに確認すべき優先アクション


意思決定者が最初に確認すべきは「虫がどこから入り、どこで増えているかを説明できる状態か」です。
説明できない場合、捕虫器の増設より先に、侵入点と発生源の見える化が優先です。
次に、出入口の開放時間、遮光、隙間、差圧、排水清掃性、保管の段ボール管理など、効果が出やすい基本項目を短期間で是正します。
最後に、捕虫器の方式が区画のリスクに合っているか、点検保守が回る体制かを確認します。
この順番で進めると、投資が“効くところ”に集中し、監査でも説明しやすくなります。


  • ● 出入口:シャッター開放時間は管理されているか。
  • ● 遮光:夜間に外から工場内の光が見えていないか。
  • ● 隙間:ドック・扉・配管貫通部のシール劣化はないか。
  • ● 排水:分解清掃できる構造か。
  • ● 保管:段ボールの持込ルールと先入先出が守られているか。
  • ● 捕虫器:方式選定の根拠、配置図、交換頻度、記録が揃っているか。

「対策しても虫が減らない」とお悩みなら、アドアにご相談ください。

長年にわたり、国内トップ衛生管理会社の捕虫器設計、開発、製造の実績をいかし、超高性能LED捕虫器「Blue Spider」シリーズをはじめ、お客様のご予算と設置環境に合わせたオーダーメイドの製品開発・ご提案も可能です。
自社一貫体制ならではの技術力で、現場ごとの課題を解決に導きます。虫トラブルのご相談から製品導入まで、まずはお気軽にお問い合わせください。


主要製品:超高性能捕虫器「ブルースパイダー」

リンク
https://adore-japan.net/product/index.html

pagetopへ

捕虫器「ブルースパイダー」への
お問合せは
メールで承って
おります。