超高性能捕虫器 ブルースパイダー

PRODUCT ブルースパイダー

超高性能捕虫器
ブルースパイダー

製品を見る →
業種別の虫対策

射出成形の異物混入。虫が発生しやすい工程と取引先への説明

2026.09.30 読了 約10分 adore株式会社 広報部
射出成形機が並ぶ樹脂加工工場の内部

目次

成形品から虫が見つかったという連絡を受けると、まず取引先から聞かれるのは「どの工程で入ったのか」です。感覚的に「気をつけます」と答えても、次のクレームで同じ説明を繰り返すことになります。原因を工程ごとに切り分けて示せるかどうかで、取引先の受け止め方は大きく変わります。特に、内部混入か表面付着かの区別を誤ると、対策すべき工程を見誤り、同じ相談が繰り返されることになります。

切り分けの出発点はシンプルです。虫が成形品の内部に入っているのか、表面に付着しているのかを見ます。この二択によって、疑うべき工程がまったく違ってきます。この記事では、次の内容を樹脂・射出成形の現場に合わせて整理します。

品質保証・生産管理の担当者が、取引先への説明資料を作る際にそのまま使える内容にしています。樹脂・精密部品の射出成形を手がける工場だけでなく、成形品を仕入れて自社製品に組み込むメーカーの品質保証担当にも参考になります。

成形品の内部に入る場合と、表面に付く場合の違い

虫が成形品の内部に入っている場合と、表面に付着している場合では、疑うべき工程がまったく異なります。まずこの二つを見分けることが、切り分けの最初の一歩です。

内部に虫体が入っている場合、成形工程そのものよりも、原料の受け入れ・保管段階を疑います。溶融した樹脂の温度は樹脂の種類によって異なりますが、虫が原形を保てないほどの高温帯まで上がるため、この温度帯を通過した虫はほとんどの場合、原形を保てません。内部に比較的完全な形の虫体が見つかる場合は、溶融前の原料(ペレット)に虫が混入していた可能性、または金型の合わせ面(金型を閉じた際に接する部分)のわずかな隙間から成形中に入り込んだ可能性を考えます。原料ホッパー(原料を機械に投入する漏斗状の設備)の開放時間や、原料保管庫の網戸・シャッターの状態を優先して確認します。

射出成形機が並ぶ樹脂加工工場の内部

表面に付着している場合は、成形後の常温工程を疑います。冷却・検査・梱包・保管・搬送のいずれかで付着したと考えられ、この場合の虫体は脚や翅が壊れていないことが多く、比較的新しい状態で見つかります。表面付着は内部混入に比べて発生工程の候補が多いため、次に取り出し後の作業を細かく分けて確認する必要があります。

内部か表面かの判断に迷う場合は、製品を実際に割ってみる、あるいは断面を確認する方法が有効です。虫体が樹脂の内部に完全に取り込まれている場合は、周囲の樹脂と虫体の間に空気の隙間がなく、色や光沢が均一に変化していることが目安になります。逆に、表面のわずかな凹みに乗っているだけの場合は、指先やピンセットで軽く触れると簡単に取れることが多く、樹脂そのものには変化が見られません。この違いは、拡大鏡を使って確認すると判断しやすくなります。

見つかった状態虫体の状態優先して疑う工程
成形品の内部原形を保てず、断片や変色が多い原料の受け入れ・保管、金型の隙間
成形品の表面脚・翅が壊れていない、比較的新しい取り出し後の検査・梱包、保管・搬送

飛来虫による混入は、黒く変色した点(黒点)だけが原因ではありません。原料周辺の管理状況と虫の侵入経路を合わせて見る必要があります。この点は射出成形の異物混入、原因は黒点だけじゃない。見落とされがちな「飛来虫」対策で詳しく整理しています。

取り出し後から梱包までが最も入りやすい理由

樹脂・射出成形の現場で虫の混入相談を受けると、実際には取り出し後から梱包までの間に付着しているケースが多く見られます。この区間は、成形工程のように密閉された金型の中ではなく、常温の開放された空間を製品が移動するためです。

取り出された直後の成形品は、まだ温度が下がりきっておらず、静電気を帯びていることがあります。静電気は小さな虫や粉じんを引き寄せやすく、コンベアで搬送される間や検査台に置かれている間に付着する条件が整いやすくなります。取り出しから梱包までの時間が長くなるほど、この区間で虫に接触する機会も増えます。目安として、短時間で梱包まで進める運用にしている現場もあります。

取り出し後の区間に虫が集まりやすいかどうかは、季節によっても変わります。春から秋にかけて虫の活動が上がる時期は、取り出し口や梱包台の照明を虫が集まりにくい波長に切り替え、点検の頻度を週1回から週2回に増やすと、付着の機会を減らしやすくなります。逆に冬場は活動が落ち着く一方で、暖房の効いた室内に虫が集まりやすくなる場合もあるため、季節によって点検のポイントを変える必要があります。

この区間で見落とされやすいのが、検査台やコンベアの下、梱包台の裏側の清掃です。目に入りやすい製品の表面は確認しても、台の隙間や陰になった場所は後回しになりがちです。また、休憩時の扉の開放や、換気のためにシャッターを開けたままにする時間帯も、虫が侵入しやすい条件を作ります。日没前後は光に集まる虫の活動が活発になる時間帯でもあるため、この時間帯に扉やシャッターが開いている場合は特に注意が必要です。

製品の梱包作業が行われている製造現場

検査・梱包エリアでは薬剤を使った対策がとりにくいという事情もあります。製品や作業者への影響を避けるため、樹脂成形の現場では殺虫剤に頼らない対策が基本になります。詳しくは樹脂成形現場で殺虫剤が使えない理由と、薬剤フリーの飛来虫対策をご覧ください。この区間の点検は、担当者を明確に決め、朝・夕の目視確認を1日2回行う運用にすると、発生時期の絞り込みがしやすくなります。

製品の保管・搬送中に付く虫の見分け方

梱包を終えた製品は、出荷までの間、倉庫で保管される期間があります。この保管・搬送の区間で付く虫は、取り出し後の区間とは見分け方が異なります。

まず確認するのは、段ボールの外側です。梱包後に虫が付着した場合、段ボールの表面や、パレットに積まれた際の隙間、ラックの支柱付近で虫体が見つかることがあります。この場合は開梱前に発見できることが多く、内部の製品に直接影響していない可能性も含めて確認します。一方で、段ボールの持ち手穴や、ガムテープの隙間から内部に入り込んでいる場合は、保管環境そのものを見直す必要があります。

見分け方のもう一つの手がかりは、虫が生きているか、すでに死んでいるかです。生きた虫が段ボールの隙間や製品の周辺で見つかった場合は、比較的最近、その場所で侵入した可能性が高くなります。乾燥して硬くなった状態の虫が見つかった場合は、長期間その場所に留まっていたと考えられ、滞留在庫の周辺や、あまり動かされない保管区画を優先して確認します。

保管エリアでの発生には、在庫の滞留期間が関係することがあります。動きの遅い在庫ほど長期間同じ場所に置かれるため、周辺の清掃や点検の頻度が下がりやすくなります。目安として、滞留期間が30日を超える在庫は、点検の頻度を週1回から週2回に上げて確認します。滞留在庫の周辺は、出荷頻度の高い在庫と同じ点検頻度にしていない現場も多いため、確認の際は在庫の動きも合わせて見ます。

搬送中の混入は、トラックの荷台の隙間や、積み込み待ちで扉を開けたままにしている時間帯が要因になりやすい傾向があります。搬入口・搬出口の管理は保管エリアの管理と分けて考える必要があり、物流倉庫の虫対策。搬入口と保管エリアで分けて考えるで搬入口側の考え方を整理しています。

段ボールが積まれた倉庫のパレットラック通路

段ボールの外側に付いているか、内部の製品に直接付着しているかを分けて確認すると、保管・搬送区間の中でもさらに原因を絞り込めます。

原因を切り分けるために現場で確認する順番

取引先への説明で信頼を得るには、思いついた場所から確認するのではなく、上流から下流へ順番に確認したことを示すことが重要です。原料から出荷までの流れに沿って、次の順番で確認します。

順番確認する場所確認する内容担当・頻度の目安
1原料保管庫・原料ホッパー網戸・シャッターの状態、原料袋の保管方法資材担当・週1回
2成形機・金型周辺金型の合わせ面、機械周りの清掃状況成形担当・段取り替え時
3取り出し〜検査〜梱包エリアコンベア下・検査台の裏、扉やシャッターの開閉時間検査担当・朝夕1日2回
4保管エリア段ボール外側の状態、滞留在庫周辺の清掃倉庫担当・週1回
5搬送・出荷記録荷台の状態、積み込み待ち時間中の扉開放出荷担当・出荷ごと

確認の際は、拡大鏡・カメラ・チェックリストの3点を持って回ると、判断のばらつきを防げます。特に写真は、虫が見つかった場所だけでなく、周辺の状況も含めて撮影しておくと、後から原因を振り返る際に役立ちます。

この順番で確認する理由は、原料側に原因がある場合、下流のどの工程を点検しても再発を防げないためです。逆に、原料側に問題がなければ、下流の工程に絞って対策を打てるため、無駄な調整を避けられます。

確認の結果、複数の工程で気になる点が見つかることもあります。この場合は、どの工程が主な原因で、どの工程が影響を後押ししただけなのかを分けて考えます。例えば原料保管庫に問題が見つからず、取り出し〜梱包エリアだけに扉の開放時間の長さが見つかった場合、原因は後者に絞って説明できます。複数の要因が重なっている場合は、その旨も含めて取引先に伝えることで、対策の優先順位を共有しやすくなります。

工程別に見落としやすい混入パターン

切り分けの順番を決めても、実際の現場では見落としやすい箇所があります。工程ごとに、よくあるパターンを整理します。

原料段階で見落としやすいのは、原料袋を開けたまま長時間置いている時間帯です。屋外に近い場所に一時保管している時間帯も、同様に注意が必要です。成形機・金型の段階では、段取り替えや金型交換の際に機械を停止している時間が長くなると、その間に虫が入り込む条件が整いやすくなります。稼働中は気にならなくても、停止時間帯の管理が抜けている現場は少なくありません。

日勤と夜勤で担当が分かれている現場では、引き継ぎのタイミングで点検が抜けやすくなります。清掃や点検の記録を共有の帳票に残す運用にしておくと、どの時間帯まで確認済みかが分かり、担当が変わっても切り分けの精度が落ちません。

取り出し〜梱包の段階では、照明が虫を引き寄せる要因になっていることがあります。光の波長によって虫の集まりやすさが変わるため、検査・梱包エリアの照明を見直すことも対策の一つです。この点は虫が集まらない照明への切り替え方。波長と配置の見直し方で扱っています。照明を切り替えるだけでも、付着の機会を下げられる場合があります。

搬入口や休憩室の出入り口にエアカーテンを設置している現場もありますが、風量や設置角度が合っていないと効果が下がることがあります。エアカーテンで虫は防げるか。効果を左右する条件と点検方法で点検方法を整理していますので、既に設置している場合は合わせて確認します。

保管段階では、段ボール自体に虫が付着した状態で搬入されているケースも見落とされがちです。梱包資材の受け入れ時点での確認が抜けていると、社内の工程を疑っても原因が見つからないことがあります。段ボールなど梱包資材の受け入れ検品も、切り分けの対象に含めておく必要があります。

取引先への説明の仕方

原因の切り分けができたら、取引先への説明は事実と推測を分けて伝えます。まず、いつ・どこで発見されたか、内部混入か表面付着かという事実を先に伝えます。次に、社内でどの順番で確認したか、各工程での結果を伝えます。最後に、絞り込んだ原因に対する再発防止策を伝えます。

この順番を逆にして、最初に「対策します」という結論だけを伝えると、取引先には根拠のない説明に聞こえてしまいます。上流から下流まで確認した過程を示すことで、次に同じ相談が来た際にも同じ手順で対応できるという安心材料になります。

説明の場には、品質保証の担当者だけでなく、実際に確認を行った生産管理・現場の担当者も同席できると、質問への回答がその場で完結しやすくなります。口頭だけでなく、確認した順番と結果を1枚の資料にまとめて渡すと、後から社内で共有する際にも役立ちます。

再発防止策を伝える際は、点検の頻度と担当を明確にした運用として説明します。例えば、取り出し〜梱包エリアの目視確認を1日2回に増やす、保管エリアの滞留在庫の点検を週1回に固定するなど、具体的な運用として示すと伝わりやすくなります。あわせて、捕獲した虫や発生場所を記録として残せる仕組みを持っておくと、次回以降の説明も同じ形式で行えるようになります。

Blue Spiderの方式と製品特性

切り分けと記録を継続的に行うには、日々の運用に無理のない仕組みが必要です。adoreのBlue Spiderは、UV-LED 40Wによる光誘引と粘着シートによる捕獲を組み合わせた方式で、電撃・吸引・薬剤は使いません。樹脂・食品を扱う工場でも薬剤を使わずに導入できます。

捕獲時に虫体が飛散しないため、粘着シートをそのまま発生状況の記録として保管できます。取引先への説明の際、いつどの場所でどの程度の虫が捕獲されていたかを示す資料としても使えます。動作は完全無音で、ランプ寿命は約2万時間、1日10時間の使用でおよそ5.5年にあたります。日常のメンテナンスは月1回の粘着シート交換のみで、専門知識がなくても続けられます。記録を積み重ねておくと、同じ取引先から二度目の相談を受けた際にも、前回との違いをすぐに比較できるようになります。

PSE(電気用品安全法に基づく適合マーク)を取得し、第三者機関による安全テストにも合格しています。国内の衛生管理機器メーカー3社のOEMを10年以上担当してきた製造元が展開する自社ブランドで、2025年の大阪・関西万博でも採用されています。工程ごとの点検体制と合わせた導入方法については製品ページで紹介しています。切り分けの手順や運用の相談はお問い合わせから承ります。

捕虫器の設置場所・方式選定、ご相談ください

adoreは、現場の条件に合わせた捕虫器の選定・配置設計をオーダーメイドでご提案しています。

無料でお問い合わせ
捕虫器のご相談はこちら現場に合わせてオーダーメイドで設計
無料相談